日本サンボ連盟

2010年世界サンボ選手権大会(ジュニア・ユース) 試合レポート
(於:グルジア・トビリシ)
2010年10月8~10日

初日(10月8日)

【男子ジュニア62㎏級:参加10名】
松井高光選手(横浜国立大学)が一昨年のジュニア60㎏級から3年連続の参加。1回戦はシード、2回戦で地元グルジアのタバターゼ・ゲオルギと対戦。パワーに勝る相手に組手を制されてパッシブ0-1、その後振られたときに腹這いになってしまい2ポイント献上。足技と担ぎで反撃するが得点は奪えず、さらにパッシブと投げで加点され0-6で敗退。タバターゼが準決勝で敗れて敗者復活戦には回れなかった。タバターゼは3位。

3日目(10月10日)

【男子ジュニア100㎏級:参加8名】
鈴木圭祐選手(Team Odaka)が初参加。1回戦でショプクトフ・チンギス(カザフスタン)と対戦。4分半まで相手のアクティブ2個のみと粘るが、終了直前に変形の肩車を食らって0-2。ショプクトフが準決勝で敗れて敗者復活戦は無し。ショプクトフは5位。

【参加国】 
アルメニア・アゼルバイジャン・ベラルーシ・ブルガリア・エストニア・フランス・グルジア・ギリシャ・日本・カザフスタン・キルギス・ラトビア・リトアニア・モルドバ・モンゴル・ロシア・タジキスタン・ウクライナ・ウズベキスタン・ベネズエラ
以上20ヶ国

【参加選手数】
男子ユース112名、女子ユース62名、男子ジュニア87名、女子ジュニア50名  
合計311名

<各階級優勝者>
【男子ユース(1992・93年生)】
48kg級 ミヒタラン・グリゴル(アルメニア)
52kg級 グラドキフ・ウラジミル(ロシア)
56kg級 ギウナシビリ・ラシャ(グルジア)
60kg級 カツィア・ゲオルギー(グルジア)
65kg級 ダルタエフ・アイディン(カザフスタン)
70kg級 バイクロフ・カマル(ロシア)
75kg級 シャリパシビリ・シュマギ(グルジア)
81kg級 ウストピレン・チムロンチョヒ(タジキスタン)
87kg級 キセロフ・ルスラン(ロシア) 
+87kg級 レゼシーゼ・スラビク(グルジア) ※2連覇

団体順位 1位 グルジア  2位 ロシア  3位 ベラルーシ 

【女子ユース(1992・93年生)】
40kg級 ビクベルディナ・クリスティーナ(ロシア) ※3連覇
44kg級 ミハイロワ・クセニア(ロシア)
48kg級 ミハイロワ・エカテリーナ(ロシア)
52kg級 バツォバ・ゲルガナ(ブルガリア) ※2連覇
56kg級 ポリカルポワ・アナスタシア(ロシア)
60kg級 シュクバルネツ・マリア(ロシア)
65kg級 ジュカベツ・クリスティーナ(ロシア) 
70kg級 ブラト・アンナ(モルドバ)
75kg級 イサエワ・クセニア(ロシア)
+75kg級 バビンツェワ・アレクサンドラ(ロシア)

団体順位 1位 ロシア  2位 カザフスタン  3位 ベラルーシ

【男子ジュニア(1990・91年生)】
48kg級 イワノフ・セルゲイ(ロシア)
52kg級 カラウロフ・ワシリー(ロシア) 
57kg級 チルガーゼ・ゲンナディー(グルジア)
62kg級 トゥトゥハリアン・バエ(ベラルーシ)
68kg級 コクシャ・アレクサンダル(ベラルーシ)
74kg級 レベデフ・ゲオルギー(ロシア) ※昨年のユース75㎏級と連覇
82kg級 サラジシビリ・バフタング(グルジア)
90kg級 ダバーゼ・ザザ(グルジア)
100kg級 ストゥルツェフ・ダニラ(ロシア)
+100kg級 ムケリア・レワン(グルジア)

団体順位 1位 グルジア  2位 ロシア  3位 カザフスタン

【女子ジュニア(1990・91年生)】
44kg級 ブリロワ・エカテリーナ(ロシア) ※2連覇
48kg級 ゴレリコワ・アンナ(ロシア)
52kg級 ペンネル・エレナ(カザフスタン)
56kg級 ビクジナ・アリヤ(ロシア)
60kg級 クルデャエワ・マリア(ロシア) 
64kg級 カゼイニュク・タチアナ(ロシア)
68kg級 アルタモノワ・クセニア(ロシア)
72kg級 オドゼラシビリ・ニノ(グルジア)
80kg級 ジュロバ・テレザ(ブルガリア) ※昨年のジュニア75㎏級と連覇
+80kg級 アスラノワ・エルピダ(ロシア)

団体順位 1位 ロシア  2位 カザフスタン  3位 ベラルーシ

<総評>

 グルジアへの空路ルートのアクセスが若干悪いためか、例年より参加国数はかなり少なかったものの、選手数自体は1割減程度であった(過去3年の平均は344名)。参加国も旧ソ連からトルクメニスタン以外の14ヶ国が参加、その他は常連のモンゴル・ブルガリア、定期的に入賞者を出しているフランス・ベネズエラ・ギリシャと強豪揃いであった。
 日本から参加の二人は初戦敗退に終わったが、試合内容自体は悪いものではなかった。松井選手は昨年・一昨年に続いて力で技を防がれるパターンにはまってしまった。柔道でも実績が出てきている選手なので両立は大変かもしれないが、両競技の特性を研究して今後も続けてもらいたい。初参加の鈴木選手は海外渡航自体が初めてであったが過度に緊張することもなく試合に臨んでいた。本場の選手を相手に僅差の健闘をしており、試合スタイルもサンボ向きに思えるので次回以降に期待したい。
 運営に関してはスタッフの人員不足が多少感じられたが大きな問題はなく進められた。会場は柔道やレスリングの国際大会も行われる大会場で、マットも台の上に据えられた(ジュニア世代の世界選手権では初と思われる)。
 結果は男子の両カテゴリーでグルジアが4階級ずつを制し、ロシアを抑えて団体優勝。地元選手の活躍に会場は大いに盛り上がった。女子はロシアが層の厚さを見せつけて大半の階級を制したが、今までほとんど国際舞台に出てこなかったグルジア女子選手が1階級取り、銅メダルも3個獲得した。柔道選手が出場したとのことだが、本腰を入れて強化すれば今後シニアでも活躍が見られることだろう。
[文責:筒井 穣]

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