日本サンボ連盟

2008年世界サンボ選手権大会 試合レポート(於:ウズベキスタン・タシケント)
2008年10月10~12日

初日(10月10日)

【男子ジュニア60kg級:参加12名】
松井高光選手(桐蔭学園高等学校)が初参加。1回戦はシード、2回戦でユルダシェフ・クルダシュ(ウズベキスタン)と対戦。組手で有利に立たれ上から落とされてアクティブを数回献上、パッシブが重なる。その間に巴投げで2ポイントも取られ0-5で敗退。ユルダシェフが準決勝で敗れて敗者復活戦には回れず。

3日目(10月12日)

【男子エスポワール74キロ級:参加16名】
鈴木泰輔選手(三多摩サンボスクール)が昨年のジュニア75kg級に続いての参加。世界ジュニアや欧州ジュニアで入賞経験のあるブラゴベストフ・チホミール(ブルガリア)と対戦。足取り2回と巴投げで4ポイント取られ、飛行機投げや蟹ばさみなどに勝機を求めるが終盤に担ぎ技を受けて0-9で敗退。ブラゴベストフが決勝に進み、敗者復活戦に回る。スライモノフ・スライモン(タジキスタン)と対戦。序盤に寝技で下になったところを抑え込まれ、立ち技では片足タックルを内股のような形で合わされ4ポイント。更に支え技を食らって0-12でテクニカル一本負けに終わった。

【参加国】
アゼルバイジャン、アルメニア、ベラルーシ、ブルガリア、べネズエラ、グルジア、香港、インド、インドネシア、ヨルダン、イラン、カザフスタン、キルギスタン、ラトビア、リトアニア、モルドバ、モンゴル、ネパール、パキスタン、ロシア、ルーマニア、シンガポール、シリア、米国、タジキスタン、タイ、トルクメニスタン、ウズベキスタン、ウクライナ、フィリピン、エストニア、日本 以上32ヶ国

【参加選手数】 男子ジュニア106名、女子ジュニア64名
       男子エスポワール112名、女子エスポワール67名 計349名

<各階級優勝者>
【男子ジュニア】
48kg級 カリモフ・アフマリディン(タジキスタン)
52kg級 マンマドフ・ブガル(アゼルバイジャン)
56kg級 ムグドゥサイン・エルバンド(ロシア)
60kg級 ダバードルジ・T(モンゴル)
65kg級 マイラシェフ・ナブルズベック(カザフスタン)
70kg級 プリカズチコフ・デニス(ロシア)
75kg級 ザイティエフ・アレクサンダル(ロシア)
81kg級 ビノグラドフ・イラン(ロシア)
87kg級 オシペンコ・ビクトル(ロシア)
+87kg級 マルチュレビッチ・アントン(ベラルーシ)

団体順位 1位 ロシア  2位 カザフスタン  3位 ベラルーシ 

【女子ジュニア】
40kg級 ビクベルディナ・クルスティーナ(ロシア)
44kg級 バイクレワ・アイグル(カザフスタン)
48kg級 シンカレンコ・アナスタシヤ(ロシア)
52kg級 チュミプ・タチアナ(ウクライナ)
56kg級 バルコワ・エカテリーナ(ロシア)
60kg級 イリエバ・イベリナ(ブルガリア)
65kg級 バリウジェビッチ・エカテリーナ(ベラルーシ)
70kg級 プロコペンコ・アレーナ(ロシア)
75kg級 カチャロフスカヤ・アレーナ(ロシア)
+75kg級 キンゼルスカ・イリーナ(ウクライナ)

団体順位 1位 ロシア  2位 ベラルーシ  3位 カザフスタン

【男子エスポワール】
48kg級 イワノフ・セルゲイ(ロシア)
52kg級 スパガリエフ・カズベック(カザフスタン)
57kg級 バヤールマンガイ・D(モンゴル)
62kg級 ラブレンテフ・デニス(ロシア)
68kg級 ティシェンコ・アントン(ウクライナ)
74kg級 ブラゴベストフ・ティホミール(ブルガリア)
82kg級 クツィア・ニコロス(グルジア)
90kg級 カルベラシビリ・ダビド(グルジア)
100kg級 マツコ・ニコライ(ベラルーシ)
+100kg級 アサドフ・イルゴル(ウズベキスタン)

団体順位 1位 ロシア  2位 グルジア  3位 ウズベキスタン

【女子エスポワール】
44kg級 シャイドゥロワ・オレシャ(ロシア)
48kg級 アチェナシュカ・ユリア(ロシア)
52kg級 バットエルデネ・B(モンゴル)
56kg級 ビンデル・イリーナ(ロシア)
60kg級 グリツァイ・エカテリーナ(ロシア)
64kg級 ブラビナ・アンナ(ロシア)
68kg級 バラノワ・マリーナ(ロシア)
72kg級 ジャハルツォワ・オルガ(ロシア)
80kg級 オリャシュコバ・マリア(ブルガリア)
+80kg級 ポノバレワ・マリア(ロシア)

団体順位 1位 ロシア  2位 モンゴル  3位 ベラルーシ

<総評>
 昨年とほぼ同規模で盛況だった今大会、地理的に遠い欧州の国が若干少なかったが、昨年のアジア選手権より参入してきたアジアの国々の参加もあり参加国数自体は32ヶ国に跳ね上がった(昨年は23ヶ国)。
 松井選手は初のサンボの国際大会ということで若干動きが硬く、またパワー負けする部分も見られた。今後体力を向上させていけば十分勝機が見えてくると思う。鈴木選手は昨年に続いての出場ということもあり落ち着いた試合運びだったが相手が強かった。優勝したブラゴベストフは既にシニア大会の出場経験もあり、今回4試合のうち一本勝ち1回(足関節)と大差判定3回という勝ちっぷりだったので現時点では健闘だったと言えよう。敗者復活戦はミスでポイントを失う場面が多かった。試合の軸となる得意技を身につけ、得点力を上げていってほしい。
 両選手とも今後の海外遠征を前向きに考えており、今後が楽しみな若手である。彼らのようにジュニア世代のうちから海外で経験を積む選手が増えていけば、将来シニアでメダルを狙える選手が出てくるのではないかと感じた。
[文責:筒井 穣]

おすすめの記事