日本サンボ連盟
【NEWS】ユニバ・サンボ競技を振り返って⑨浅井信幸

「ユニバーシアードと今後のサンボ」
浅井 信幸  (国際サンボ連盟FIASエグゼクティブ・ボード・メンバー)

日本選手の活躍と競技成績については選手と他役員が十分に伝えたと思うので、私は国際サンボ連盟FIASのエグゼクティブ・ボード・メンバーとして大会運営とユニバーシアード後の国際サンボ展望を記したいと思います。

ユニバーシアードは国際大学スポーツ連盟FISUの主催で行われました。サンボ大会は試合、つまりマットの上で繰り広げられる戦いそのものはFIASのコントロールで行われ、大会全体はFISUのそれで行われました。大変素晴らしい運営でストレスを感じさせませんでした。タイムスケジュールがしっかりしていて選手、コーチも戦いやすかったと思います。毎年の世界選手権大会で行われるようなショー的な開会式もなく締った感がありました。また、セキュリティーがしっかりしていて、IDにより入れるゾーンが厳しく制限され、マット周辺に応援団が集結し醜態をさらすこともありませんでした。この大会は今後のサンボ大会に大いに参考になると思います。

一般社団法人日本サンボ連盟近藤正明会長名でお知らせしている、2014年サンボ世界選手権大会を日本で開催することになれば、ユニバーシアードのサンボ大会に倣うことが望ましいと思います。2014年世界選手権大会まで話を飛ばしましたが、2014年2月にはプーチン大統領杯サンボ選手権大会も企画しています。

国際サンボに目を向けると、ユニバーシアードにサンボが採用されたとこはサンボファミリーの長年の夢であるオリンピック種目への大きな一歩になったと確信しています。この後、10月にロシアのサンクト・ペテルブルグで開催されるスポーツ・アコードでもサンボが採用され日本からも選手を派遣します。11月にはペテルブルグで世界選手権大会が行われます。同時にFIAS総会が行われ、そこでFIAS会長選挙により新しい会長が選出されます。現会長のワシリー・シェスタコフ氏は大変すぐれたリーダーで再選が有力視されています。日本サンボにとってもそれは望ましいことです。そのシェスタコフ会長のリーダーシップにより我々エグゼクティブ・ボードEBは2015年にアゼルバイジャンのバクーで開催される第1回ヨーロッパ競技大会にサンボが採用されるように働きかけています。これが実現するとオリンピックを除く主要大会全てでサンボを行われることになります。このことにより、我々EBは国際オリンピック委員会への加盟を急いでいます。

日本レスリング協会、全日本学生柔道連盟をはじめ多くの方の協力を得てユニバーシアードで好成績を残すことができた日本サンボも、以上のような国際サンボの流れに乗りながら発展を続け、国際サンボのリーダー的存在になることを願っています。

シェスタコフ国際サンボ連盟FIAS会長およびエグゼクティブ・ボード・メンバーと

ユニバ・サンボ女子80kg級金メダリスト濱田尚里選手と

以上、写真提供 国際サンボ連盟FIAS

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