これは、国際ライセンスを持つレフェリーを育成しようとの趣旨で行われ、翌日に開催された「プーチン大統領杯 第40回 全日本サンボ選手権大会」での実施と併せてのセミナーでした。1996年の世界サンボ選手権東京大会以来(もしかしたらここ数十年来で)初めての、日本に講師を招いての審判セミナーです。
ここ数年、新たな国際審判員が生まれていなかった現状もあり、日本サンボ界にとっての好機会でした。
約6時間の座学講座と翌日のプーチン大統領杯での実施は、国際大会未経験の審判員にとってはもちろん、連盟スタッフにとっても良い経験になったと思います。
セミナーで実感したのは、国際大会でのレフェリングと国内での認識に多少ギャップを感じさせる点があったことです。これは本来あってはならない部分ですので、世界基準のレフェリングを国内で浸透させるには、今後もセミナーなどへの積極的な参加が必須となるでしょう。
また、どんな競技でも細かいルール変更があります。その変化に乗り遅れないようにしなければ、国内でルールのガラパゴス化が生じてしまう危険性があります。そのためにも、情報収集は必要であり、そのことが選手の強化にもつながるはずです。
今回のセミナーにより、世界基準とのギャップの補正はできたと思われます。急務な課題は、その補正を徹底すること。そして、全体的なレフェリング技術の均等的レベルアップです。
ルールを知ることは、選手にとってもプラス効果以外のなにものもありません。次の課題としては、選手にもルールを広く深く電波していくことではないでしょうか。
昨年来、国際大会でのメダル獲得等、日本人選手の活躍が目に付くようになりましたが、審判団に日本人の姿を見ることはありません。
今回のセミナーをきっかけに、レフェリーとしても、国際大会の舞台で活躍する日本人が増えることを願ってやみません。
日本サンボ連盟 審判委員長 吉澤 昌
プーチン大統領杯第40回全日本サンボ選手権大会審判団集合写真
写真左から(敬称略)
宮賢次郎、井上秀夫、長谷川秀彦、蒲倉聡、Maxim KORNIENKO、 Artem DROKOV、萩原幸之助、Sergey TABAKOV、伊田忠富、松本秀彦、Vasilii UGOLNIKOV、吉澤昌